数週間前、アメリカで起きている人種差別に対する抗議デモのニュースを見ていた4歳長女が一言。「どうしてこうなってるの?」
人種差別について教えようとすると、夫が「えっ、教えるの?」と言うので、その場ではさらっと説明して終わりにしました。
でも、いつから子どもに教えるべきなのだろうと思い、調べ考えてみました。
人種と偏見についていつから子どもに教える?
調べ始めて見つけた興味深いデータがこちら。
Social Justice Resources – Children's Community School
- 生まれたばかりの赤ちゃんは、すべての人種の人の顔を平等に見る。
- 生後3ヶ月の赤ちゃんは、赤ちゃんのお世話をする人と同じ人種の人の顔をよく見る。
- 2歳くらいまでの子どもは、人種によって人々の行動を予測する。
- 2歳半までの子どもは、人種によって遊ぶ友達を決める。
- 人種による偏見が表れるピークは4歳〜5歳。(←長女いまここ)
- 5歳までの黒人系とラテン系の子ども達は、白人の子ども達と比べて自分の人種グループに対する好みを示さなかった。この年齢の白人の子ども達には白さを好む強い偏見がある。
- 幼稚園(5歳〜6歳)までの子どもたちは、大人がするのと同じように人種によって態度を変える。
- 5〜7歳の子どもたちへ、異人種の友情についてしっかり話すことで、人種差別を劇的に改善することができる。
- 子どもは小さな時から人種について気が付いているし、考えてる。人種への沈黙は人種差別を強める。人種や多様性について話すことが大事。
結構意訳していますが、思い起こして見ると納得できることが多々あります。
私自身はアジア系日本人。
夫は白人系オーストラリア人です。
- 次女が言葉を話し始めた1歳頃から、アジア系女性を見ると(写真など)指をさし「ママー、ママー」と言っていました。そして、白人系の男性を見ると指差し「パパー」と言っていたので、すでに人種の違いがわかるんだなと感心した覚えがあります。
- 長女が2歳の頃、白人系の人を見て「あの人は日本語話さないから英語でお話しできない」と言われ、すでに人種による偏見があることにびっくりしました。そのときは「見た目で判断しないよ。パパは日本語話せるでしょ。」と伝えたけど、それを夫に伝えるとショックだったようでした。(本当は人種や偏見、ハーフについてとか色々感じることがあるけど、長くなりすぎるので、ここでは省略、いつか記事にまとめれるかな、、)
確かに、子どもたちは小さな時から人種の違いを知っています。
4歳長女は幼稚園に通い出し、世界が広がっているところ。
これまでは私がそばにいたからその都度教えることができたけど、これから先、私の知らないところで人種差別を見たり、聞いたりした時に側にいる人は、間違った方向で意見を言うかもしれない。それを正しいと思うかもしれない。
そうならないためにも、今から積極的に長女に伝えるのはやっぱり重要だな、と改めて思いました。
さて、それをどうやって伝えようか、、、
見つけたのはこの記事↓
Talking With Children About Racism, Police Brutality and Protests, by Laura Markham.
年齢別にどうやって伝えるのがベストか詳しく書いてあります。
ただ、スーパー長いので割愛💦 興味のある方は読んで見てください。
私が気になったのは3〜5歳の段落で、人種について継続して会話をするのが重要だけど、TV報道や怖い会話からは守らなければならない、というところ。
そうだよね、やっぱり暴動が起きてるシーンだとかは積極的に見せるべきじゃないよね。
人種や偏見について描かれたおすすめな絵本
人種や偏見について描かれた絵本も探して見ました。 絵本の力は絶大だと信じているので、困った時の絵本頼みです。
調べた中から数冊ピックアップしてみます。私もこの中から数冊購入してみるつもりです。
SHADES OF PEOPLE by Shelley Rotner
とてもシンプルに肌の色の違いがわかる絵本。初めて動画を見たときは涙が出そうになりました。本当はこんなにシンプルなことなのに、、、
子ども達の笑顔が眩しいです。わが家に一冊購入を決めました。
When Frank Was Four by Alison Lester
私自身も大好きなオーストラリアの絵本作家、アリソン・レスター作の一冊。
7人の子ども達の1歳から7歳までの成長を描いた絵本です。大きくなるに連れてそれぞれの個性があらわれてくるのが興味深い。人はそれぞれ違うんだということをさりげなく教えてくれます。人種というよりは多様性を描いた絵本。
長女が2歳くらいの時に図書館で借りたことがありますが、2歳児には難しすぎたようであまり受けず、、、4歳になった今なら楽しめるかな?
www.amazon.com.au
Hello Little Babies by Aliso Lester
赤ちゃん時代のシリーズもあります。絵が可愛すぎ。出産祝いにもいいかも。
長女が2歳のときはこちらの絵本を気に入って何度も借りていました。
Where Are You From? by Yamile Saied Mendez
対象年齢4〜8歳
長女が3歳の頃図書館で借りた一冊。難しすぎじゃない?と思ったのですが、長女は何度も読んでいました。
「どこからきたの?」という何気ない質問(でも時には人を傷つける質問)になんでも知っているアビュエロおじさんが答えます。美しい絵と詩のような文章が素敵な一冊です。
日本でも買えるっぽい。
Ernie Dances to the Didgeridoo by Alison Lester
オーストラリアに住んでいるので避けては通れないアボリジニへの差別問題。
普段は意識することはないけれど、ここでは根深い問題。
私自身も深く知らないので学ばなければ、、、
再び、アリソン・レスター作の一冊。4歳児にもとっつきやすそう。
You And Me Murrawee
対象年齢が5〜7歳
200年前のアボリジニの住む世界を家族でキャンプに訪れた白人少女の目を通して描いた絵本。
絵が美しい。アボリジニの基本を学ぶのに最適かも。まだ難しいかもしれないけど、家に一冊欲しい。
人種問題ではないけれど、、、
長女のキンディーには小児がんの子どもが通っています。抗がん剤治療をしながら、栄養はチューブから摂取している状況で、いつもバックパックを背負っています。
そんな彼女に対して、長女は、、
「どうしてあの子はお話できないの?」
「どうして鼻にチューブをつけてるの?」と聞いてきます。
彼女の病状を詳しくしらないままに適当なことは言えないので、長女に病気のことは伝えていません。
長女は「〇〇ちゃんがキンディーに来て嬉しい!(コロナ問題以来初めて登園した日)女の子が増えた!今日の鼻についてるチューブはイエローだった。いろんな色を持ってるんだよ。いいよね。」と純粋です。
知らないままで接するほうがいいのかと思っていましたが、私が知っている範囲だけでも教えた方がいいのかな、、、
長女が大好きな義母(長女のおばあちゃん)も癌治療中なので、余計な不安を与えたくない、という思いもあります。(今は「おばちゃんは具合が悪い時もある」とだけ伝えています。)
何もわからない幼児の時とは違い、今は多くのことを理解している4歳児。ポジティブな方法で必要に応じて、世の中には色々な人がいることを伝えていければと思います。
多様性や障害を描く日本の絵本なら、さっちゃんのまほうのて
子どもの時読んで感動した。今度一時帰国した時に買いたい一冊。
人種を描いた日本の絵本はどんなのがあるんだろう。